青森第二高等養護学校    取材日:2014年12月17日  取材者:総務課工藤裕明

みんなに笑顔送ります!

青森第二高等養護学校の「雪ちゃんにんじん~Winter Carrot~」は、本来秋に収穫するにんじんを、雪の積もる冬まで
2ヵ月以上も土の中におくことによって熟成され、糖度が増してとても甘くなるという、特別なにんじんだ。
普段は文化祭や参観日などで販売するのだが、現在は東日本大震災の被災地へ支援のためにも送っている。
今回、その支援のための収穫と発送式の取材に訪問した。

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当日の学校。吹雪くと外は真っ白。

寒波襲来で、外は猛吹雪。時折陽が顔をのぞかせるものの、「収穫」という天気ではない。
けれども、生徒達は防寒具に身を包み、作業の準備を整えていた。

発送準備の担当をのぞき、みんな外に出て雪におおわれた畑へ。
畑は校舎の前にある。とはいっても、豪雪で雪に埋もれ、一見して雪原にしか見えない。
しかし、生徒達はみんなその中に踏み入って、雪を掻き分け土を掘り、立派なにんじんをつぎつぎと掘り出していく。
収穫したにんじんは、葉っぱでこすって土を落とす。

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雪を掘らないと、どこが畑か分かりません。でもにんじんはちゃんと土の下で眠っています。

報道関係者が数人、取材に訪れていた。防寒具に身を包んだ大人達が周囲で震えながら見守る中、生徒達はもくもくと
真剣に作業を続ける。

収穫の後は、実習室へにんじんを運び込み、一本一本丁寧に水で洗って泥を落とし、これも生徒自身がデザインした
うさぎをモチーフにしたかわいらしいラベルを貼った袋に入れ、箱詰めする。

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一本いっぽん水洗い。これも大変。雪ちゃんにんじんのマークも生徒がデザイン

この後、本来なら玄関前での出発式だったのだが、さすがの吹雪で、屋内で行った。
みんなで横断幕を広げ、大きな声で、運送業者の方に「にんじんを届けてください」とお願いし、出発するトラックを玄関先で
手を振って見送る。
こうして、みんなの努力と想いのつまったにんじんは、南三陸町を目指して旅立った。

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吹雪で出発式は屋内で。でもやっぱり外でお見送り

「みんなのために働く、社会に参加する意識をもって欲しい」
と、川村校長。
確かに、大変な仕事でもみんなのためにという気持ちがあれば頑張れる。
生徒達も、いずれ学校を出て一人立ちし、仕事を通じて社会に参加する。その時に、働くということの意義、やりがいを
見つけるためにも、みんなのために、という気持ちは大事だと思う。

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にんじんを贈られた南三陸町のみなさんからの写真

作業を見学する前に、昨年「雪ちゃんにんじん」を贈った被災地の人たちからのお礼状を見せていただいた。
みんなでにっこり笑っている写真や、みんなの添えたメッセージカードへのお礼状が貼られてあった。
生徒達が一生懸命育てたにんじんを食べた人たちからの、感謝の表情や喜びのメッセージ。
作り手と受け手の心のつながりだ。
きっと生徒達には、やりがいを感じながら仕事をする、仕事の意義を感じることの出来る、なによりの便りだろう。
そして、それは仕事をする身にとって、なによりの喜びだと思う。

きっと、雪にも寒さにも負けずにがんばれる生徒たちの元気の源は、この届けた人たちの笑顔だろう。