八戸市立島守中学校    取材日:2019年5月30日  取材者:総務課 五十洲 杏奈

地域とともに受け継がれる虚空蔵山清掃

島守地区に春の訪れを告げるイベント・・・その名は『島守春まつり』
福一満虚空蔵菩薩堂・龍興山神社・高山神社の例大祭でもあり、多くの参拝客が訪れる。
この『島守春まつり』を陰ながら支えているのは、島守中学校の生徒たちだ。まつりの会場となる浅田山(通称・虚空蔵山)周辺の清掃奉仕活動を1947年の開校時から行っており、今年でなんと73回目となる。
実は昨年、鈴木教頭先生から取材依頼のご連絡をいただいたが、すでに別の学校の取材が決定していたため伺うことができず…。1年越しに連絡をすると、「ぜひ、お越しください。」と取材を快諾していただき、島守中学校へ向かった。

学校に到着し、最初に目にしたのは、ウーパールーパー!

私初めてお目にかかりました。意外とかわいい。
取材日の約2週間前から島守中学校の一員になったようだ。

そして、今回の取材の窓口となっていただいた鈴木教頭先生にご挨拶をし、今回の清掃奉仕活動についてお話を伺った。

① 奉仕活動を通じて、日頃から支えられている地域への感謝の気持ちをもたせるとともに、地域の一員としての自覚を高めさせ、地域に貢献しようという態度を育てる。
② 地域に受け継がれる伝統行事を大切にする気持ちをもたせ、郷土に対する理解を深めさせる。

以上の趣旨のもと、毎年5月下旬に実施しており、2011年2月15日には八戸市教育委員会から表彰されている島守中学校の伝統行事だ。今年は、全校生徒24名が参加することになっている。(当日1名欠席のため23名の参加となった)

まずは、玄関前に集合し、出発式を行った。

熊谷校長先生から「自分たちの住んでいる地域を自分たちの手できれいにしましょう。そして、お互いに頑張っている人を見つけましょう。」というお話の後、清掃で使用するスコップや竹ぼうきなどの道具を準備。生徒たちは大きな声で「行ってまいります。」と出発のあいさつをし、虚空蔵山へ向かった。

学校から徒歩約15分。自然豊かな素晴らしい景色を楽しみながら向かう。道中、「あれが虚空蔵山で、あの頂上に見えているのが龍興山神社ですよ。」と教頭先生。

あまりの標高に驚き、「あれを登り切ることができるのだろうか。」と普段全く運動をしない私は不安でいっぱいになっていた。

境内へ到着後、諸注意などの説明を受けて掃除開始。今回は、5組の担当に分かれている。

① 1年生女子3人:神社の周り
清掃開始の合図からいち早く掃き掃除を始めた。初めての清掃奉仕活動であったが、先生方とも協力して掃き清めていく。その後、拭き掃除も行った。

② 3年生女子4人:記念碑
去年もきれいに掃除したはずなのに…と苔むした記念碑の1年の汚れに驚いている様子。ホースで水をかけ、雑巾やたわしを使ってゴシゴシ。そして、次に手にしたのは歯ブラシ。文字の隙間の細かな汚れも落としていった。

③ 2年生女子3人:駐車場からホタル水路
虚空蔵山には「ホタル水路」と呼ばれる水路がある。夏になると、多種類のホタルを見ることが出来るそうだ。境内への入り口ともなる駐車場からホタル水路までの落ち葉掃きをしていく。道路の両脇にはたくさんの落ち葉があり、隅から隅まで掃き進めていった。

④ 1年生男子1人と2年生男子5人:駐車場からホタル水路
ガードレールの下の土を角スコップで掬い道路の外に出していく。前日に雨が降ったため、湿った土が溜まっている模様。腰を曲げ、一生懸命土を掬っては外へを繰り返す。「あぁ腰痛い。」と身体を伸ばしながら進めていった。

⑤ 2年生男子4人と3年生男子3人:水の運搬と山の頂上からの石積みの階段
4リットルのペットボトル12本に水を入れ、そのペットボトルを抱えながら険しい山道を登り、山頂の龍興山神社を目指す。山頂には手を清める手水舎(ちょうずや)がないため、春まつり当日は生徒が運んだ水を使っているそうだ。

先に①~④までの取材をしていたため、私は後を追った形になるが…

かなり険しい道のり…

私が登り切った時は、息も上がり疲労困憊。この道を竹ぼうきはもちろん、ペットボトルまで持って登ったのかと思うと脱帽です。生徒たちの若いパワーを感じます!

生徒たちが運んだペットボトルはこちら。

おまつり期間は、大活躍間違いなし。

さて、生徒たちは山頂到着後、休む間もなく清掃開始。かなりの量の落ち葉があるため、協力しながら掃き進めた。疲れた素振りを一切見せず、石積みの階段を丁寧に掃き、汗を流した。

清掃終了後、龍興山神社責任者の小沢礼子さんは、「毎年一生懸命取り組んでくれるので頼りにしている。ありがとう。きっと神様も喜んでいます。」と生徒たちに笑顔で話した。

そして、最後はみんなで乾杯!
私も一緒にいただきました。ありがとうございます。

帰校式では、3年生の沼沢夏凜さんが「私たちが参加できるのは今年で最後。清掃活動は大変だけど、これからもずっと続けてほしい。」と後輩たちに思いを託した。

島守中学校では、この清掃奉仕活動の他にも「町おこし」や「地域活性化」をテーマに様々な取り組みをしている。
その名は・・・『島中プロジェクトS』
地域を実際に歩き、地域の方からお話を聞き、島守地区の自然豊かな資源や素材を生かし、中学生として何ができるのか考え実現に向けて取り組んでいる。

1年生:「地域から土地を借り、野菜を作り『島中ブランド』として販売」
農業の大切さについて学び、この取り組みが地域にどのように役立てることができるのか考える活動を行っている。

2年生:「地域産業に関わっている方々へインタビュー」
実際に体験しながら、地域の産業をPRしている。より良いインタビューを行うために、事前にラジオ放送局のプロの方からインタビューの方法を学んでいる。

3年生:「島守地域で実際に何ができるか、実現に向けてプレゼンテーションを実施」
 昨年は、地域で使われなくなった保育所の活用方法を考え、地域の方も招いて無形文化財である「えんぶり(島守地区に荒谷えんぶりがある)」と島守中学校のえんぶりが共演した。

各学年で自分たちの住んでいる島守地区について考え、活動している。
生徒たちは、これからも島守の神様や地域の方々に見守られながら、歩み続けていくのだろう。