五所川原第三中学校    取材日:2014年12月14日  取材者:総務課髙村玲

「ちはやふる…」コンマ一秒の勝負、百人一首かるた大会

今年で第48回を迎える五所川原第三中学校の伝統行事、百人一首かるた大会を取材した。統合前の栄中学校時代
から脈々と続けられるこの行事に向けて、生徒らは総合学習の時間はもちろん、自宅でもかなり練習をつんできたという。
たたみの上の格闘技と言われる百人一首の札取りではコンマ1秒を争うと言われるそうだが、どんな対戦が繰り広げら
れるのか、期待に胸を膨らませながら体育館に向かった。

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この日は、決勝リーグということで体育館は生徒らのやる気に満ち溢れていた。「MakeaLegend」のパネルが大きく
掲げられ、生徒らの大会での奮闘を後押ししていた。

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競技の開始に先立って、大会の花形でもある読み手の練習タイム。各学年から選抜された男女数人が、和歌独特の節
回しを使い、抑揚ある澄んだ声色ですらすらと和歌を読み上げ、体育館中に美声が響き渡っていた。
女子はもちろん、男子の澄んだ声は、あのウィーン少年合唱団ばりに素晴らしいと感じた。

さて、いよいよ競技開始。この日の決勝リーグでは、各学年が1位グループから4位グループまでに分かれて行ったのだが
クラス対抗なので下位グループだからと言って気が抜けない。最終的には各グループが獲得した総合点数で優勝クラスが
決定する。20分間の真剣勝負を5回戦まで戦うというから集中力の勝負でもある。

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それぞれの対戦を順番に見て回った。まだ競技者としては経験が少ないであろう1年生の対戦でも最初の一文字でさっと札
を取ってしまう生徒が多く、実力を見せ付けられた。そして、熟練した2年生、3年生の対戦では、百人一首といえば思い浮かぶ
札を「パンッ」と、はじき飛ばす早業まで飛び出し、実力者も多数見られた。
そんな白熱した対戦の中でも、生徒らは競技そのものを楽しみ、ハイタッチと、笑顔、笑い声が飛び交っていた。

読み始めの一瞬の静寂、そして札取り勝負がついた後のわきあがる歓声が体育館に響き渡る。百人一首のおもしろさを皆
が堪能していた。

この日は、五所川原市出身の山田宝古堂・山田春雄さんからご好意で貸していただいたという貴重な品、狩野探幽による百人
一首画帖の複製を体育館の一面に展示していた。実物は数億円と言われ、複製でも一額2万円以上なので、総額200万円以
上するという貴重な品だ。生徒らにとってこの大会は、競技の腕前を上げるだけではなく、こうして百人一首の歴史にも触れるこ
とができる素晴らしい機会になったことだろう。
五所川原第三中学校の生徒たちの今後の活躍に期待しながら、体育館を後にした。

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ごく有名な数首しか思い出せなかった記者も、家に帰ってさっそく百人一首の載っている学生時代の資料を開いてみた。

紀貫之「人はいさこころもしらね故郷は花ぞ昔の香ににおいける」
小野小町 「花の色は移りにけりないたづらに我身世にふるながめせしまに」
紀友則「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」

百人一首では、花や春をあつかった歌が多いように思われるが、この取材記事が掲載される春には、三年生はもう高校へと
羽ばたいている頃だろう。生徒皆さんの今後の活躍に期待すると共に、仲間との絆を育み、日本の伝統文化を学ぶこの百人
一首かるた大会の伝統がこれからも脈々と続いていって欲しい。